1936年東京に生まれる。東京芸術大学作曲科在学中に,毎日音楽コンクール作曲部門(室内楽)で第3位を受賞し,1960年に同大学を卒業するとともに,卒業作品にてその年の第29回毎日音楽コンクール作曲部門(管弦楽)で第1位を受賞する。
 以後,本格的に作曲活動を始めるかたわら,東京音楽大学,愛知県立芸術大学,兵庫教育大学で教鞭をとり,2001年3月に兵庫教育大学を定年退職する。
 作品は管弦楽曲,オペラ,吹奏楽曲,室内楽曲,合唱曲,ミュージカルなど幅広いが,特に吹奏楽曲では日本を代表する作曲家の一人として知られ,1991年には,日本吹奏楽学会アカデミー賞(作曲者賞)を,現存する作曲家では最初に受賞している。
 指揮活動もシエナ・ウインドオーケストラをはじめ幅広く行っているが,特に,アマチュアを対象とした指導法はそのユニークな演奏解釈理論とともに定評があり,岡山大学交響楽団の常任指揮者を35年以上も続け,日本有数の大学オーケストラに育て上げるかたわら,客演指揮者としても全国各地のオーケストラや吹奏楽団体で活躍している。
 これらの長年にわたる指揮指導活動に基づいて,ビデオ「音楽指導者のための指揮法」(1997年)をビクター・エンタテインメント社から,また,演奏解釈のための著書「生きた音楽表現へのアプローチ」(1998年)を音楽之友社より出版し話題を呼んだ。
兵庫教育大学名誉教授,日本バンドクリニック委員会代表,日本管打・吹奏楽学会顧問。
●保科 洋